英検準2級を受験される方でスピーキングに不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
英検のスピーキングはフリートークのような柔軟性を求められる試験ではありません。
過去の問題の出題傾向を把握して事前に対策をしているかどうかが合否の大きな分かれ目です。
この記事では、スピーキング試験の問題内容と回答のテクニックをご紹介いたします。
従来型(面接)で受験される方も、S-CBTで受験される方もどちらにも参考になるように記事を作りましたので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
最後にはS-CBTだけで使える裏技や使いやすいフレーズのご紹介もしています。
従来型(面接)で受験される方はよくある質問についてもまとめましたので、こちらの記事も参考にしてください。
スピーキング(面接)試験の流れ
まずは英検準2級スピーキング試験の内容について解説します。
受験方法が従来型とS-CBTで若干変わるので両方の解説をします。
ご自身が受験される方をご確認ください。
問題内容は従来型・S-CBT共通です!
従来型のスピーキング試験
従来型では試験が一次試験と二次試験に分かれており、二次試験でスピーキング試験が行われます。
ちなみに、一次試験はリーディング・ライティング・リスニングです。
従来型のスピーキング試験は面接形式で、下記の流れで行われます。
- Step1入室
- Step2あいさつ・カードの受け取り
- Step3パッセージの黙読・音読
- Step4パッセージに関する質問(1問)
- Step5イラストに関する質問(2問)
- Step6受験者自身に関する質問(2問)
- Step7カード返却と退室
従来型の特徴は、面接形式であることから面接官と対峙した状態です。
スピーキング試験はアティチュード(態度点)も採点対象です。
当日慌てることのないように一連の流れを覚えておく方が望ましいです。
S-CBTのスピーキング試験
S-CBTの場合は4技能を1日で受験します。
試験の流れは「スピーキング→リスニング→リーディング→ライティング」の順番です。
4技能のうち最初に行われるのがスピーキング試験です。
スピーキング試験の流れは下記の通りです↓
- Step1ログイン作業・音量チェック
- Step2Warm-up
- Step3パッセージの黙読・音読
- Step4パッセージに関する質問(1問)
- Step5イラストに関する質問(2問)
- Step6受験者自身に関する質問(2問)
Step2のWarm-upとは、下記のような挨拶程度の簡単な質問です。
- How are you today?(今日の調子はどうですか?)
- How did you come here today?(今日はどうやって来ましたか?)
外国人面接官の動画が流れるので、マイクに吹き込む形で回答しましょう。
S-CBTの場合は、従来型と違って面接官と対峙しているわけではありません。
対面では緊張してパフォーマンスが下がりそうな人はS-CBTの方が望ましいでしょう。
パッセージの黙読・音読
ここからは従来型・S-CBT共通の問題内容について解説をしていきます。
「パッセージの黙読・音読」は最初の問題です。
上記のようなパッセージを20秒の黙読したのちに音読をします。
黙読のポイント
試験管から20秒で黙読をするように指示されます。
面接官:First, please read the passage silently for 20 seconds.(まず、この文章を20秒で黙読してください。)
この指示がされたらパッセージに目を通しましょう。
この際に意識するポイントは、全体像のおおまかな意味を掴めばOKです。
上から全文を訳していては20秒で足りない方がほとんどと思います。
主語と動詞に注目して読めば全体のある程度の意味は分かるはずです。
細かい意味を掴むのは次の音読の際に意識するとして、黙読の時間では全体の意味を把握することに注力しましょう。
音読のポイント
黙読の20秒が終了したら、面接官より音読の指示がされます。
面接官:All right. Now, please read it aloud.(それでは、声に出して読んでください。)
この指示がされれば、パッセージの音読しましょう。
音読では次の3つを意識しましょう。
- 必ず見出しを読む
- 面接官に聞こえる声量で音読する
- 意味を掴みながら、区切りを意識して読む
上手にスラスラ読もうとするのではなく、意味を掴みながら正確に読むことが重要です。
むしろ早く読もうとして雑な音読になると減点の対象になってしまいます。
意味のまとまりごとに文章を区切りつつ正確に発音するようにしましょう。
パッセージに関する質問(1問)
先程、黙読・音読したパッセージについての質問がされます。
次の前置きの後に、質問がされるので集中して質問を聞き取りましょう。
面接官:Now, I’ll ask you five questions.(今からあなたに5つの質問をします)
面接官:No.1 According to the passage, ~.(第1問パッセージによると、~)
上記の流れで問題が出題されるので、質問文を注意して聞き取りましょう。
①パッセージに関する質問のポイント
1問目のパッセージ問題は、「so(だから)」「in this way(このように)」の直前の文章が回答になることがほとんどです。
パッセージ問題は最後のあたりに結論があることが多く、前半部分で理由など述べているものが多いです。
それゆえ「so」や「in this way」の文章の直前は重要な文章になっています。
面接官の質問が「Why」であれば「Because」で回答し、「How」であれば「By 〜ing」という形で、上記の文章を組み込んで回答しましょう。
文中に「it」や「there」などの代名詞がある場合は、適切な単語に置き換えましょう。
イラストに関する質問(2問)
続いてイラストに関する問題です。
1つ目は人物に関する描写で、下記の質問がされます。
面接官:No2 Now, please look at the people in Picture A. They are doing different things. Tell me as much as you can about what they are doing.(第2問、写真Aの人たちを見てください。彼らのしていることをできるだけ詳しく教えてください。)
2つ目は状況に関する描写で、下記の質問がされます。
面接官:No3 Now, look at the (girl) in Picture B.Please describe the situation.(第3問、写真Bの(女の子)を見てください。状況を説明してください。)
それぞれの回答のポイントについて解説していきます。
②イラスト問題:人物に関する問題のポイント
1つ目は人物に関する描写です。
イラストに描かれた人物が何をしているかを回答する問題で、ポイントは2つです。
- 代名詞を使わない
- 英文は全て現在進行形にする
主語は[They/He/She]などの代名詞は使わず、[A man/A woman/A boy/A girl]などを使いましょう。
二人組の場合は、複数形にすることも気をつけなければいけません。
また、動作の途中を表しているイラストなので、時制は全て現在進行形にしましょう。
③イラスト問題:状況に関する問題のポイント
2つ目は人物の置かれた状況に関する問題です。
1つ目の問題と比べて人物の動作以外にも着目する点があるので難易度は少し高くなります。
多くの場合、人物の置かれた状況とその人物が考えていることの2つを読み取る必要があります。
それぞれをシンプルな英文で考え、接続詞でつなげた1文で表現するようにしましょう。
回答のポイントは下記の2つです。
- 2つの状況についてシンプルな英文で考える
- 接続詞[because/so/but]を覚えておく
難しく考える必要はなく、2つの状況を読み取ってシンプルに考えることが重要です。
接続詞をうまく使いこなして回答しましょう。
受験者自身に関する質問(2問)
最後の二問はあなた自身についての質問です。
4問目の出題は、パッセージに関する内容で、あなたの意見を問われます。
面接官:Now, please turn over the card and put it down.(カードを裏返して置いてください。)
面接官:No4 Do you think ~ ?(第4問、あなたは~思いますか?)
5問目の出題は、パッセージに関する内容で、あなたの意見を問われます。
面接官:【一般論+質問文】
問5は、純粋にあなたの考えを問われる問題です。
④受験者自身に関する質問のポイント
4つ目の問題は、問題カードのトピックに関連する内容について、あなたの意見を問われます。
「Do you think 〜?(あなたは〜をどう思いますか?)」と問われるので、「Yes/No」のどちらかを回答しましょう。
その後、面接官より「Why ?/Why not ?」と理由を聞かれるので、自分の意見で回答しましょう。
質問文の聞き取りができないと回答も難しいので、Do you thinkの後に続く部分が何か集中して聞きましょう。
⑤受験者自身に関する質問のポイント
5つ目の問題は、あなた自身に関するポイントです。
面接官から「一般論+質問」の2文で問われます。
質問となる2文目は必ず聞き逃さないようにしましょう。
問4と同じように、質問に対して「Yes/No」で結論を伝えてから、理由を説明します。
難しく伝えようとせず、YesでもNoでも回答しやすい方を自分なりに考えて回答しましょう。
スピーキング試験で使える裏技
最後にスピーキング試験で使える裏技を2つご紹介します。
スピーキングは当日の臨機応変な対応が必要になることから、焦ってしまって言葉が出てこないというケースもあるでしょう。
そんな時に今回ご紹介する2つがお役に立てばと思います。
聞き直しで時間を稼ぐ
スピーキング試験では、面接官の質問に対して聞き返すことが可能です。
シンプルに聞こえなかった場合はもちろん聞き返すべきですが、考える時間を確保するのに聞き返すのも有効な手です。
S-CBT受験の場合は、ボタン一つで簡単に聞き直しが出来ます。
回答の残り時間を考慮しながら聞き返しボタンを使うことで、回答を考える時間が増えます。
聞き返しは2回までとなっており、2回目以降の聞き返しは減点になる可能性があるので、使うタイミングは注意しなければいけません。
- I beg your pardon.(申し訳ございませんが、もう一度言ってください)
- Please say again. (もう一度言ってください)
- Could you repeat the question?(もう一度質問を言っていただけますか?)
言葉に詰まった時に使えるフレーズ
聞き返しなどを活用しても回答が思いつかない場合もあると思います。
言葉に詰まって黙りこんでしまう場合は減点の対象となり、一定の時間が経つと次の問題に移行してしまいます。
何も発言することが出来なければ、評価される部分がないので得点は無いでしょう。
ここでご紹介するのは、「0点になるくらいならせめて悪あがきしよう」というフレーズです。
- Umm…./ Well….(え〜っと…. )
- Let me see….(ええっと、そうですね….)
- I have no idea what to say.(なんて言ったらいいか分かりません)
- It’s so hard to put into words.(言葉にするのが難しい)
全く何も思い浮かばない場合は、とりあえず上記のようなフレーズを発言しておきましょう。
すくなくとも回答しようとする姿勢や発言しようとする部分は評価されるはずです。
実際、スピーキングテストではアティチュード(態度点)という評価項目もあります。
無言で何も出来ないままでいるよりかは、悪あがきでも良いので発言はするべきです。
上記のようなフレーズを発現しながら、時間いっぱいまで回答を考えるようにすれば良いでしょう。
まとめ
今回は英検準2級のスピーキング試験について解説してきました。
その他、英検準2級の対策記事もありますので、ぜひ他の記事も参考にしてください。
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